===================
ハルヒが団活を休んだ日、俺達団員4人は早めに帰宅する事にした。そして今は団員4人で下校中。
朝比奈さんと長門の談笑なんていうレアな姿や、俺がいない時に宇宙人・未来人・超能力者の三人がどんな雰囲気で過ごしているかの話し、それと古泉ののんびりした笑顔なんてものも見れた。最後のはどうでもいいが、まあけっこう面白い話が聞けた。
ついでに聞いてみる。
ところでお前ら三人だけの時は俺はなんて呼ばれているんだ?
変なあだ名でなく、できれば本名で呼ばれてたいぞ。
長門が聞き取れるかどうかわからないくらいの小さな声でぼそっと言った。
「…ぎ…おと…」
え?思わず聞き返す。
すると、古泉と朝比奈さんが同時に大声で叫んだ。
「「鍵男(かぎおとこ)!!」」
そして大声で笑い出す。
居ないと何言われるかわからん、団活さぼっちゃだめだな。
「いえいえ実際はそんな風には呼んでいませんのでご安心を。ただその呼称は以前 朝比奈さんがおっしゃったセリフだった事だけは言っておきましょう。」
え、朝比奈さんそれはないですよいくら僕でも傷つきますよ。
「え、あ う… 古泉君それはひどいです、わたしはいつもキョン君って言ってます。
うーん、、、彼は彼はって古泉君がいつも繰り返し言うから、彼って誰ですってちょっとからかって聞いたら、鍵男の事ですって言ったのは古泉君じゃないですかぁ」
「おや、そうでしたか僕の記憶違いだったかもしれませんね。」
「そうですよぉー 私はいつもキョン君って言ってますよーキョン君安心して下さい。
あ、古泉君もキョン君って呼ぶようにしたらどうですか?
"あなたは~"とか"彼は~"なんて言ってないで。」
「考えておきましょう。しかし僕にもイメージと言うものがありますからね、難しいかもしれません。」
おいおい、たのむからちゃんとした名前で呼んでくれ。それからそのお前のイメージってのはいったいなんなんだ。
しかしまあ、映画撮影の時期くらいまでは古泉と朝比奈さんはけっこう牽制しあっていたからなぁ、今のように楽しく会話出来るようになったのはいいことなんだろう。鍵男の件は笑って許すとしよう。そんな感じで四人で下校していると、道の先にいる女子生徒の姿が見えた。見覚えのある姿だな、しかし何かをのぞきこんでいるようだな、何をみているんだろう?
その女子生徒は曲がり角から道の向こうを伺うように立っていた。
「おーい、阪中、何をみているんだ?」
声をかけるとびっくとして振り返る。
「あ、キョン君なのね、なんでもないのね。」
なんでもないようには見えないぞ、むこうに誰かいるのか?
見るとそこには意外な組み合わせの人物がいた。
ハルヒと谷口、それと大人子供をまじえた7~8人連れが道の向こうを歩いている。
ん、ハルヒの用事ってのはこれか、谷口までいていったいなんの用なんだ?
古泉は怪訝そうに見つめていたが、それから気付いたように言った。
「あ、法事ですね。涼宮さんのおじいさまの兄弟かなにかの法事ですよ。」
しかしなんで谷口もいるんだ?
「たしか、そのおじいさんは彼とも親戚筋だったはずです。」
そうか、ん? すると谷口はハルヒと親戚なのか、それは知らなかったな。
少し驚いていると、古泉もなにかが引っかかった顔をしている。
「そうですね、涼宮さんと谷口氏は親戚筋と言う事になりますね、、、」
お前は知っていたんじゃないのか?
今言ってただろ、そのおじいさんとやらが谷口の親戚でもあると。
「うーん、なんだかちょっとした違和感を感じますね。確かに知ってはいたのですが普段意識していなかったというか、以前から知っていたのは確かなのですが。」
ふーん、お前らしくもないな。
道の向こうを見つめるSOS団の四人と阪中、ハルヒ達はこちらに気付かないまま向こう側にあるファミリーレストランに入っていった。親戚同士で飯でも食うんだろ。
「わたしは帰るのね、じゃあね」
阪中はそう言うと帰っていった。
残ったSOS団の四人は無言のまま、なにか妙な違和感を感じその場で立ち止まったままになる。聞くと谷口がハルヒの親戚筋という事は俺以外の三人全員が知っていた。
そして知っていたが普段意識して考えた事が無いって事も三人に共通していた。
-----------------------------------
0 件のコメント:
コメントを投稿