アニメバブルについてのニュース記事への日記です。
去年の5月にもブログに書いたけど、アニメの年間製作数は136本程度が(だいたい2000年のレベル)が適正なんじゃないかなぁ。しかし、年300本体制に膨れ上がった人員はそれじゃ食えないよね…深刻な問題だなぁ。
そんだけです、
でわでは。
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以前書いたブログ記事
http://reclimber.blogspot.com/2009/05/blog-post.html
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Business Media 誠
業界が“先祖返り”している――『ハルヒ』『らき☆すた』の山本寛氏が語る
アニメビジネスの現在 (1/4)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1007/26/news010.html
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業界が“先祖返り”している――『ハルヒ』『らき☆すた』の山本寛氏が語るアニメビジネスの現在
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1288014&media_id=40
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(Business Media 誠 - 07月26日 11:32)
テレビアニメ作品タイトル数・制作分数の推移(クリックで全体を表示、出典:日本動画協会) 写真:Business Media 誠
日本発コンテンツとして期待され、国際的にも注目を集めていると言われているアニメ。四半期ごとに新しいテレビアニメが何本も放映され、ブログやTwitterのタイムラインをにぎわせている一方、それらを制作しているアニメ業界の労働環境の悪さが報じられることも少なくない。そんなアニメ制作の最前線に立っている業界人は、アニメビジネスについてどのように考えているのだろうか。株式会社Ordetの山本寛(やまもと・ゆたか)代表取締役に現況を尋ねた。【堀内彰宏,Business Media 誠】
山本氏は京都アニメーションで『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)のシリーズ演出としてエンディング「ハレ晴れユカイ」のダンスを手がけて話題を呼び、『らき☆すた』(2007年)には監督として関わった。2007年に株式会社Ordetを設立、7月24日にリリースしたアニメ『BLACK★ROCK SHOOTER』を監修しているほか、7月17日に公開された実写映画『私の優しくない先輩』の監督も務めている。
●アニメ業界が先祖返りしている
――現場から見たアニメ業界の現況を教えていただけますか?
山本 ある意味で「もう商売にできないのかもしれないなあ」と感じています。「今、加速度的に“先祖返り”しているのかな」とも思っています。7月24日にリリースしたアニメ『BLACK★ROCK SHOOTER』はグッドスマイルカンパニーというフィギュアメーカー、いわゆるおもちゃ会社が製作委員会の幹事会社となって作ったアニメです。おもちゃを宣伝するためのアニメになっていて、これは現在主流のスキームではないのですが、1970~80年代には主流だったスキームで、そこに今、戻ろうとしているんですよね。
『BLACK★ROCK SHOOTER』には配信する媒体がありません。しいて言うならDVDで、会社が違う3つくらいの雑誌にDVDソフトを付けて、無料配布します。テレビというメディアも介さないので、言ってしまえば“手売り”ですよね。
「DVDソフトをあげるから、その代わりにおもちゃを買ってね」という大胆不敵な手法に出たのですが、世のビデオメーカーは「そんな風に配布されたら、俺たちの商売は上がったりだ。それで食っているのに」と大激怒です。でも、「そのスキームで業界の人間が食っていけない時代になっているのなら、もうしょうがないんじゃないですか」と僕は思っています。
これはネット社会の弊害なのですが、どうしても作品映像はYouTubeなどにアップされて見られてしまいます。もうこれを止めることはできないと思うので、お皿(DVDソフトやBlu-rayソフトなど)を売って映像そのもので商売するのには限界が来ている。それならば、作品に関連したおもちゃを買ってもらう代わりに映像はタダですよ、で僕はいいと思っています。
あるいはもっと先祖返りして、パトロンがお金を出して、アニメを制作するようになるかもしれない。それで作品が貴族の家の額に飾られようが、博物館に持っていかれようがそれはそれでいいんじゃないか、というか「それもやむなし」という感じですね。僕らはとにかく作品を残さないと意味がないので、作品を残せるのであれば四の五の言っていられないという時代が来るんじゃないですか。もちろん、できるだけ多くの人に作品を見てもらいたいという気持ちはあるのですが、ごちゃごちゃとした利害関係の中でそれを言っている場合ではないということです。
――おもちゃ会社以外の企業、例えばクルマ会社やビール会社などがスポンサーになる可能性についてはどうお考えですか? テレビアニメ『けいおん!』(第1期2009年、第2期2010年)が楽器販売に影響を与えたようなことは他業界でもできるのではないでしょうか。
山本 その辺でさすがだと思ったのは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが愛知県豊田市のトヨタ自動車本社内に「西ジブリ」というスタジオを作ったことです。「おお、トヨタと組むつもりか。さすが鈴木さん、先見の明がある」と感じました。だから、そういった他産業に対する目配せも積極的にしていっていいと思うんです。
実写の『私の優しくない先輩』ではカルピスに特別協賛として入っていただいたのですが、そういう提携の仕方はアニメも考えていかないといけない。村社会に閉じこもって悶々としている場合ではなくて、アニメは色んなところに売っていく必要があって、それに億劫(おっくう)になったところから多分、崩れていくのでしょう。
スタジオジブリはディズニーと提携したり、トヨタと仲良くしたりと、意外とラディカルにやっています。この業界の最先端はスタジオジブリなのですが、それだけ危機意識を持って、アンテナを張りめぐらせて、色んなことを考えていらっしゃるんだろうと思います。だから、それに僕らも付いていかないといけない。
――大所帯のスタジオジブリに比べると、小所帯の会社の方がYouTubeを活用するなど、新しいことをゲリラ的にやりやすいとも思うのですが。
山本 それはできるのですが、劇場用アニメが最初に作られてから、50年以上つちかってきた業界の仕組みというものがあるんですね。もう、分担作業でないと成立しなくなっているんです。
5分くらいのアニメを小出しにするのなら、10人くらいしかいない弊社だけでもゲリラ的にできます。ただやっぱり、「作るなら最低30分で」と思うじゃないですか。「30分のアニメを作りたい。どうせなら1時間で作りたいよね」となるとマンパワーがいるんです。例えば『BLACK★ROCK SHOOTER』は社外の色んなところに作業をお願いして、50分の作品を1年がかりで作ったのですが、弊社だけなら5年かけても作れていないと思います。
これは経営者の目線になってしまうのですが、「少ない人数でじっくりやれば、作れるんじゃないか」と思われがちなんですよね。確かにじっくり作れて、その間の生活が保障されれば作れますよ。でも、僕らはかすみを食って生きているわけではないですし、1人あたりの分担される作業が増えると、それだけ長い時間がいるわけじゃないですか。
だから『BLACK★ROCK SHOOTER』でも、最終的に外注することにしました。時間がないというより、キリがなくて、「本当に会社が傾いちゃうぞ」ということになったので、何とかスタッフを納得させて完成させたのです。そのままいっていたら、予算を食いつぶしておしまいだったでしょう。僕は「お金で時間を買う」と言ったのですが、時間とお金のバランスを見ると、やっぱり今の仕組みが一番いいんです。これを崩してしまうと、時間がかかる上に、お金もかかってしまうことになります。
●アニメ制作は二極化する
――アニメで食えなくなっている背景にはどんな事情があるのでしょうか?
山本 もうDVDソフトやBlu-rayソフトを売るスキームでは食えなくなっているので、そこにはお金が集まらなくなっています。どんどん予算が削られて、規模縮小で作らされています。次にビデオメーカーがスポンサーとなったテレビアニメを手がけるのですが、やはり予算がべらぼうに安いんです。みんな「食えない、食えない」と言っていて、でも「これ以上の予算は出ない」と言われて、「不景気だからどうしようもないなあ」となっています。そもそもテレビ局が食えない時代になっているので、テレビアニメが食えるわけないんですよ。
「食えない」というのは、会社が倒産するかしないかくらいのレベルです。例えば、下請けの会社だと、仕事を必死に探さないと開店休業状態ということです。
それにはアニメの本数が減っていることが影響しています。これは本当にバブルが弾けたんだと思うのですが、アニメの本数が増えた時期に、スタッフも増やしたんですね。その時は、制作現場が売り手市場となりました。「今なら演出家はどこに行っても食えるからチャンスだよ」と先輩の監督や演出家によく言われました。「もうすぐこのバブルは弾けるから、今のうちに何本でも仕事を入れて、稼いでおけよ」と言われて、「この時代もそんなに長くないんだろうな」と思っていたら、あっという間に弾けましたね。2007年くらいの話です。
それで、その時に囲いこんだ人材があぶれちゃったんです。昔はアニメーターが制作会社に営業の電話をかけるなんてありえなかったんです。とにかく猫の手も欲しいという状態なので、上手い下手はともかくとしてアニメーターとして作品にクレジットされていれば、ひっきりなしにあちらこちらから電話が来ていたんです。演出家なら言わずもがなです。でも、今は「何か仕事ないですか? 余っていませんか?」と営業の電話をかけないといけません。そうして営業して細々です。まだ、餓死したとかは聞いたことはないですが(苦笑)。
先祖返りした話にまた戻りますが、アニメがそれこそ伝統芸能・芸術になって、一部の大金持ちや貴族がパトロンとなって、その庇護のもとに一握りのアニメのクリエイターが作品を作り続けていく時代にひょっとするとなるのではないかと思います。
実は素人の趣味レベルで、もうアニメは作れてしまうんですよね。すでにアマチュアとプロとのボーダーレス化は甚だしくて、ニコニコ動画を見れば、プロ顔負けの作品はガンガン出ているわけです。今はそういう周縁のアニメ好きの中で絵の上手い人が、業界に片足だけかけている状態なんです。そういう人はいっぱいいます。たしなむ程度にアニメの仕事をして、あとはイラストや同人誌などの展開をするという、俗に言う“Webアニメーター”ですね。専業でこの仕事をやるのではなく、いろいろ活動する中の1つととらえている人が増えていて、今後も増えていくでしょうね。
これが度が過ぎていくと、二極化するんじゃないかなと思っています。業界がアニメ保存会みたいなところで保護されて、ビジネスとしてかろうじて成立しているという一方、趣味の一環としてアマチュア作家が好きに作品を作ってWebにアップする、という同人誌レベルの活動で満足するという時代が来るのではないのでしょうか。
それだけ、もうものづくりとしては成立していないですね。いや、それでも続くのかもしれないですけどね。「ものづくりとして成立していない」というのは僕が新しく言い出したわけではなくて、30年前から言われていますから。「アニメはビジネスとして成立していない。もう終わりだ」と言われ続けて30年ですから、今後も続くのかなとも思うのですが、僕の感覚からすると本当に最後なのではないのかと。今は最後の輝きを見せていると言っていいですね。
僕も生まれてからずっとアニメを見続けてきた1人のアニメオタクなのですが、これだけアニメの絵のクオリティのアベレージが上がっている時代というのはなかったですね。そこには技術革新であるとか、デジタル化であるとか、ネットワークの広がりでこれまで地理的に無理だった大陸(中国や韓国)などに現場が作れるようになったことが影響しているわけですが。至るところから才能を発掘することができますし、実際に『BLACK★ROCK SHOOTER』でも、直接会ったことがない北海道在住のmebaeさんという方に原画をお願いして、原画だけもらいましたからね。
――そういう方とはどこで知り合うのですか?
山本 Web上のつながりです。ネットワークの広がりのおかげで、その方は北海道でも活動できるわけです。アニメの活動をしつつ、本業はイラストレーターらしいです。そういう方々がまだアニメに興味を持っている段階なのでまだいいのですが、興味を持てなくなる、あるいは本当に絶望的に食えなくなった時に、「ああ、もうアニメはダメだ」と思って見捨てられたら終わりですね。
●ネットの力に屈した
――『オトナアニメ Vol.17』で「作画のクオリティが求められすぎる“クオリティバブル”が起こっていて、アニメ業界が食っていけなくなっている」と山本さんは書かれていました。日本のものづくりという意味でも同じようなことは言えるかもしれないと思うのですが、なぜアニメで作画のクオリティが求められすぎる状況が生まれているのでしょうか?
山本 これにはいろんなマジックがあって、実は絵だけを重視して見ているアニメオタクって少ないんです。ごく一部の“作画オタク”と言われている人の発言権がネットによって大きくなってしまっていることが影響しています。これは実地で体験しているのですが、そのごく一部の大きな声を現場が真に受けてしまって、あわてふためいた結果がクオリティバブルなのです。「おいおい、求められているものが違っているだろう」と思うのですが(笑)。
実はアニメオタクの大部分はそんなに作画に詳しくないんですよ。これは統計上も言われていることなのですが、作画オタクが狂喜乱舞した作品は売れないんです。その最たる例が究極の作画アニメと言われている『電脳コイル』(2007年)で、最近だと『鉄腕バーディー DECODE』(2008年、2009年)でしょうか。作画オタクは狂喜乱舞するのですが、まったく売り上げに結びついていないのです。
僕はかつて「ネットの力に屈した」とゼロ年代(2000年から2009年までの10年間)を評したことがあるのですが、まさにこれですよ。ネットに踊らされて、「もっとすごいものを作らないといけない」と思ってあわてふためいた結果、現場だけ疲弊してもうからないという。
もちろん絵のクオリティは大事なのですが、あおられたから必要だというのではなくて、制作側が必要とするレベルのクオリティについて、もう1回見直そうよということですね。『BLACK★ROCK SHOOTER』も見事にネットの声にあおられて作っているので、結果的には“ただの作画アニメ”と言われるかもしれません。だから、人ごとではないんです。ウチもそのあおりを食らっていて、「これでは『BLACK★ROCK SHOOTER』のファンには通用しない!」とかアニメーターたちが主張していました。「そうかなあ?」と思うのですが、「いや、これだけのクオリティはないと」と身内からも言われるので、「これはまずいなあ」と感じています。
クオリティバブルがエスカレートして、どこかで逆風が吹く瞬間があるとは思います。でも、一気にクオリティが落ちることはないと思います。(絵を必要以上に重視したアニメが)淘汰されても、腕のそんなによろしくない方々から切られていくので、残るのはやっぱりうまい連中なんです。
ただ、アニメ制作はチームプレイであって、そんなに上手くない人も含めて、1つのテレビシリーズを安定したスケジュール、安定したクオリティで制作するというのがこの業界の仕組みです。しかし、今、不景気のあおりや、クオリティバブルに応えないといけないんだという業界のあせりから、そこそこの人をどんどん切り捨てていっているので、野球で言うと「気が付けば4番打者だけ残っていた」という状態になって、ホームランは打つけど大量点は入らないという野球になるんじゃないですかね。だから、一部の人がクオリティにやたらとこだわって作品を制作するものの、結果にはつながらないという状態がしばらくは続くのではないでしょうか。
今は、(クオリティよりも)ブランド力が重要です。エヴァンゲリオンやガンダム、スタジオジブリなどは、ブランドの力で何とか持ちこたえている部分があります。しかし、そのブランド力もいつか消える瞬間があると思います。
――ブランド力はどのように築き上げていくものなのなのですか?
山本 それは違う市場を巻き込むしかありません。10万人のアニメオタク市場だけに向けて発信するだけでは、その中でのパイの奪い合いになってしまうだけです。あるところで勝っても、あるところで負けてしまうし、勝つ量もたかが知れている。『化物語』(2009年)や『とある科学の超電磁砲』(2009年)といった作品は売れていますが、その10万人の市場の範囲内で勝負しているので、ブランド力にはなりません。ブランド力を付けるには、その外にいかないといけない。この市場にいる人たちの間では、はやりすたりが激しいので、いいと思ったものがあったらすぐにそっちに行ってしまうので。
つまり、自分たちの市場を確保できたら、ブランド力だと思います。浮動票みたいなところで争うのではなくて、組織票でがっちり固めてしまうという。そういう意味では、『東方Project※』という作品群があるのですが、あれは本当に独立した一大市場なんです。そのファンは決してアニメファンではなく、独自の市場を作っているのです。だから、そういうところが残っていくんだろうなと思います。
※東方Project……同人サークル「上海アリス幻樂団」によって制作された弾幕系シューティングゲームを中心とした、ゲームや漫画、小説などの作品群のこと。
●優れているアニメと面白いアニメとを切り離して考えるべき
――具体的にはこれからアニメ業界はどういうことをしていけばいいのでしょうか?
山本 もうけが少ない中で、制作費だけよこせというわけにはいかないので、やっぱり意識の問題ですね。意識改革をしないといけない。
例えば、実写の『私の優しくない先輩』は低予算映画で、制作日数も短い中、やれることをやったという作品です。だからといって、「この作品はクオリティが低いので、見れたものではない」とは言わないじゃないですか。実写ではそれが成立するんです。低予算で3日で撮っても、面白いものは面白いと言ってくださる。A級映画だろうが、B級映画だろうが関係なくて、むしろそれが崩れてきている。制作費100億円と銘打ったハリウッド映画がどんどんこけているようなご時勢ですから、もうそういうのが通用しなくなっている。
アニメもそうしてほしいということです。アニメも面白いものがウケるんだという意識改革を、僕らが業界の中でしないといけないんです。作画のクオリティを上げれば売れるわけではないことは、はっきりと数字に出ているので、もっと力の配分を考えないといけない。それで結果を残して、その経験を現場にバックするようにしていけばアニメはまだ持つと思います。
この調子でこれでもかとクオリティを上げていったら、間違いなく空中分解するでしょうね。スタジオジブリですら空中分解するでしょう。「スタジオジブリは宮崎駿さんが亡くなったら、あっという間に終わってしまうだろう」と誰もが言います。『借りぐらしのアリエッティ』は作りこんでいて、見た目はすばらしい出来になっているのですが、それで売れているというわけではないということです。あくまでも宮崎駿さんを中心として作り上げられたスタジオジブリの物語に、みんなが興味を引かれて見に行っているのであって、あれだけの高い技術力があるから見に行くわけではありません。あくまでストーリーや世界観が第一で、作画の良さは二の次ですよね。
ブランド力に関して、ディズニーは1回失敗しているんです。ウォルト・ディズニーが亡くなった後、ハワード・アッシュマンというブロードウェー出身のプロデューサーが中心となってディズニーを立て直そうとしたのですが、途中で亡くなり、プロジェクトリーダーがいなくなってしまったんです。それで「どこにいけばいいんだ」ということになって、その時に手描きのアニメーターを全部切り離してしまったのです。ブランド力を失って、その後の戦略を立てられなかった方々の末路ですよね。今は「やっぱりヤバイ」ということで、アニメーターを呼び戻したり、ピクサーを吸収したりしていますが。だから、スタジオジブリとて例外ではないということです。
優れているものと面白いものとを切り離して考えないといけない。もちろん僕らはクリエイターである以上、「優れているものを作りたい」という気持ちは当然のことながらありますし、それがない人間は業界にいてはいけないと思います。しかし、それをモチベーションとして持っていながらも、この業界は商売でやっているわけなので、生きていくため、食べていくため、この業界にお金を落とすため、この業界のみんなを幸せにするために「面白いもの=お金を落とす価値のあるもの」を作らないといけないんです。それを今こそ分けて考えるべきなんじゃないかなと思います。
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