2009年2月13日金曜日

フィリピン人の不法滞在家族が国外退去、日本生まれの中学生の子も帰国。

日本で生まれ育ったフィリピン人の中学生が、国外退去処分を受けるそうです。本人には何の罪もないのに、強く可哀想に思います。この中学生は日本語以外話せないし、日本以外の事をフィリピンの事を知らない、まったくの日本人なんだそうです。なんだか、やりきれない気持ちです。

この不幸の責任は、第一に密入国した両親にありますが、密入国を見抜けなかった入管当局、そして義務教育開始時(小学校入学時)に見抜けなかった行政や学校当局にもあります。もちろん大局的には、国際的な貧富の差という大きな問題があります。

国際的な貧富の問題では、日本は‘富’の立場にありますから、‘貧’の側の立場を理解し、共に‘富’になるように努力すべきです。安い労働力として外国人を欲して、不法入国者であろうがなんであろうが雇って働かせている日本人を見ると悲しくなります。受け入れるのなら、ちゃんと正しく受け入れるべきで、それが出来ないのなら、一切受け入れない方がましです。ちゃんとしたルールを作った上で受け入れるべきです。


青臭い事を書きましたが、
僕は今回の日本の法務当局の判断は間違っていないと思っています。法は法です、不法入国した者を国外退去させるのは当たり前の事です。今回の中学生の不幸・不運の責任は密入国した両親にあります、浅はかな両親が自らの子を不幸にしているのです。そしてさらに、密入国・不法滞在を見抜けなかった入管・行政・学校の不甲斐なさが、中学生の不幸を助長させたのです。

なんとも、やりきれない、、、二度とこのような事が無いようにするべきだと思います。唯一の救いは、この中学生と両親にフィリピン帰国のための準備期間(2年以上の猶予期間)を十分に与えた、法務局の温情くらいですかね。。。



【この家族の略歴メモ】
母親のサラさんは1992年に、父親のアラン・カルデロンさんは1993年に、それぞれ別々に日本に密入国しました。二人とも他人名義のパスポートを使用して日本に密入国したそうです。その後、1995年7月にのり子さんを生んだそうです。

そして、2006年に不法滞在が発覚し、同年11月に強制退去処分を受けました。アランさんは処分取り消しを求めて訴訟を起こしたのですが、2008年9月に敗訴が確定し、退去処分も確定しました。

ただし、その後もアランさんが特別滞在許可を求めていたので、敗訴確定後すぐ国外退去にはならず、何回か仮放免され一時滞在が許されました。2009年1月14日には、2009年2月13日までの一時滞在が仮放免期限として許されました。

そして、何回目かの仮放免期限である2009年2月13日に、アランさんの特別在留許可の申請を却下する事が決まりました。ただし、これも即日退去ではなく、仮放免期限2週間の一時滞在を認め、その2週間以内に出頭し国外退去する事となりました。



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法務省入国管理局
平成19年における入管法違反事件について【要約】
http://www.moj.go.jp/PRESS/070229-1.pdf
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平成19年中に退去強制手続を執った外国人は,4万5,502人
これら入管法違反外国人のうち,不法就労に従事していた者は3万6,982人
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比少女と父母の在留は認めず 東京入管、滞在期限は延長
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021301000033.html
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 強制退去処分を受け、一時滞在の仮放免期限を迎えた日本生まれのフィリピン人、カルデロン・のり子さん(13)=埼玉県蕨市立第一中学校1年=と父母の家族3人について、東京入国管理局は13日、一家全員の在留特別許可は認めないことを決めた。森英介法相が同日の閣議後会見で明らかにした。

 父アランさん(36)と母サラさん(38)は同日午前、入管に出頭。弁護士によると、3人の仮放免期限を約2週間延長すると伝えられたという。

 入管側はこれまで、のり子さんだけなら在留特別許可を認める可能性があることを示唆しており、アランさんとサラさんは今月末にも強制退去となる可能性が高まった。

 サラさんは1992年、アランさんは93年に、それぞれ他人名義のパスポートで入国。のり子さんは95年7月に日本で生まれた。不法滞在発覚後の2006年11月に強制退去処分を受け、処分取り消しを求めた訴訟は昨年9月に敗訴が確定した。

2009/02/13 11:48 【共同通信】
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強制退去(2001年5月4日)入管難民法に違反して、有効な旅券を持たずに入国(不法入国)したり、在留期間を超えて日本に滞在(不法残留)するなどした外国人を母国や入国直前に居住していた国などに送還する行政処分。入国管理局は同法違反の疑いがある場合、身柄を拘束し、入管施設に最長六十日収容。その間の審査や口頭審理で違反を認定した場合、強制退去を命じる。他の犯罪目的が判明したケースなどは検察官や警察官に告発し、刑事処分を求める。一九九九年に強制退去となった外国人は五万五千百六十七人。うち不法入国は九千三百三十七人。
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在留特別許可(2006年1月15日)強制退去の対象となる外国人に対し、法相が裁量で特別に在留を認める制度。入管難民法は対象者を、永住許可を受けた人や過去に日本国籍を持ったことがある人、人身取引の被害者のほか「許可すべき事情があると認められるとき」と規定。具体的な要件は定められていないが、日本に長期間滞在し子供が成長しているなど人道的な配慮が必要なケースで認められている。
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比一家3人の在留認めず、入管が帰国日決定求める
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090213-OYT1T00576.htm
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比一家3人の在留認めず、入管が帰国日決定求める
 不法滞在で国外退去処分が確定している、埼玉県蕨市のフィリピン人、カルデロン・アラン・クルズさん(36)一家について、東京入国管理局は13日、家族3人での在留は認めない旨を改めて伝え、拘束が猶予される仮放免の期限を2週間延長し、帰国の日を決めるよう求めた。
 一家は法務省に在留特別許可を求めているが、入管側は、そろっての帰国か、日本語しか話せない、長女のり子さんだけが日本に残るかを決めるよう求めていた。
(2009年2月13日13時57分 読売新聞)
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2 件のコメント:

  1. 十五年間日本で働いた期間中にこのフィリピン夫婦は納税していたのでしょうか。もし納税していたのなら国民としての権利が受けられるのではないかとも思うのですがどうでしょうか。

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  2. 匿名さん コメントありがとうございます。

    彼らは税金を払っていたと思いますよ。
    日本でちゃんと働いていたんですから。
    ただ、納税していれば国民としての権利を得られる
    ってわけでは無いと思いますが、、、

    日本国は、不法入国して長期間不法滞在した家族でも、
    日本で生まれた子供が中学生以上の年齢の場合は、
    仮放免する事が多く、温情的な国家なんなんだそうです。

    残念ながら、今回ののり子さんの場合は、
    アランさん達が検挙された時点では、まだ小学生だったので、
    その温情策の対象外です。(現在のり子さんが中学生なのは、
    アランさんが裁判をしたり、帰国を拒み続けた結果、
    時間が経ち続けたからです。)

    まあ、、、難しい問題ですね。
    ---

    (追記)
    最近のニュースによると、
    とりあえずは、父親だけ帰国させ、母親とのり子さんを残し、
    その後、、親戚が東京と埼玉に住んでいるようなので、
    のり子さんだけ残すと言う事になりそうですね。

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